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投資用ワンルームを売るとき、一括査定は有効か。

投資用ワンルーム購入のキッカケとして「SNSの広告を見て」「ネット広告で興味をもって」という比率が年々、高まっています。

そうやって購入した方は売却するときも「まずネットを利用」することが多い傾向にあります。実際、不動産売却の一括査定・見積りサイトもここ数年で、数を増やすようになりました。

今回のブログでは『投資用ワンルームを売るとき、一括査定を利用すれば高値売却は可能なのか?リスクやデメリットは?』といった内容に触れていきます。

不動産売却「一括査定サイト」のしくみ

ネットで【投資用マンション 売却】と検索すると、多数の一括査定サイトが表示されます。数あるサイトからどれを選べばいいのか、まず最初の時点で迷われる方も多いです。

実は一括査定サービスの運営会社そのものは、宅建業者(業法により免許を受け、不動産売買などの業務が許可された業者)でないことが多いです。「一括査定サイト」のプラットフォームを不動産会社へ提供し、査定依頼者とマッチングさせることで対価を得ているのです。運営会社としては、査定依頼がたくさん入り、その情報を不動産会社へ送れば送るほど儲かるわけです。

「依頼者が高値売却できるかどうか関係ない」は極論ですが、実際、いくらで売れたかは運営会社にとって重要ではありません。その手前、送客できる数が重要なのです。

そのため「依頼すれば自動で高値売却が可能・無料査定をしたらギフト券プレゼント」など過剰とも思える広告を打ち、査定依頼を多く受けることが最優先になっているサイトも見受けられます。サービスそのものの質を高めることが目的でないため、そういったサイトに登録・一括査定を依頼しても、連絡がくる不動産会社の質も分相応・・・となることが非常に多いです。

不動産会社からみる一括査定

「おなじくサービス利用者」ともいえる不動産会社からみても、前述のような運営方針の一括査定サイト経由でくる査定依頼者は「質が低い」傾向にあります。そもそも売却の意思がまったくなく、なんとなく価格を知りたかっただけ。ギフト券がもらえるから登録しただけ。こんなにたくさんの業者から連絡がくるなんて聞いてない、迷惑です。そもそも投資用不動産を持っていない。

・・・あまり内容を把握せず依頼しているため、不動産会社とトラブルになることすらあります。

不動産会社は一括査定サイトから「依頼者情報」が提供された時点で、運営会社へ一定料金を支払う義務が発生します。多くのサイトでは13,000~20,000円の料金設定をしており、かつ一度の情報提供で基本5~10社へ情報が届きます。つまり、依頼1件につき一括査定サイトへ10~15万円が入ってくるしくみなのです。

すべての依頼者が早期売却を前提で依頼する、とまで不動産会社も思っていませんが、基本的に「査定価格しだいで売却検討をする方の情報」に対しお金を支払っているつもりです。ただ、依頼者の意図は別のところにあり、一括査定サイトの集客方針にその一因がある・・・。このようなことが何回かつづくと、不動産会社によっては依頼者への対応悪化や、一括査定サイトへの不信感に繋がっていきます。

ただし、このような運営会社は一部です。多くの一括査定サイトは不動産会社と健全な関係性を築き、サービスを通じて多数の投資用ワンルーム売却が成立しています。

まずは一括査定サイトを見たとき「やけにプレゼント系のアピールをしていないか」・「あまりに手軽な(少ない)情報入力だけで査定できるようになってないか」・「運営会社は不動産関連業務も行っているのか」などを確認することが、良質な不動産会社から連絡をもらう第一歩になります。

5社以上が競合する「レッドオーシャン」

査定依頼者の情報が不動産会社に渡ると、各社いっせいに「依頼者へコンタクト」を図ります。基本的にどのサイトも電話番号の入力を必須にしていることが多く、ほとんどの会社はまず電話をかけます。一括査定に参入する不動産会社は年々その数を増しており、いまや一大レッドオーシャンとなっています。

そのなかで「自社が最初」に依頼者と連絡をつけなくてはならず、査定依頼が届いたと同時に電話をします。査定情報の送信ボタンを押してから1分以内に電話がかかってきた・・・と、まさに一刻一秒を争っています。

なかには追加費用を払っても初動対応を外注して、ファーストアプローチに命をかけている会社も存在します(その外注先は一括査定サービスの関連会社・・だったりするのです)。

初動対応を経て、依頼者から物件収支などの必要情報を聞き出したら、売却査定を行い書面にまとめ、電話やメールで伝えて売出し委任=媒介契約の提案を行う。とこれが多くの方がイメージする「一般的な対応」ですが、それはあくまで「居住用不動産」の場合です。

投資用ワンルームを専門で取扱う会社にとっては「非常識」、実際に媒介契約を結ばずに進展することが多い、というのが実情です。その大きな理由の一つが『投資用不動産の買主は「不動産業者」である』ということです。

※詳細は前回ブログ参照(タップで読む)※

一定以上の経験値を持つ営業なら、買主である不動産業者がいくらで購入するかの概算は「家賃・賃貸管理の方法・毎月の維持費」という基本情報だけですぐ算出することができます。そのため、初動で依頼者と連絡さえ繋がって、必要情報だけ聞き出すことができれば、その場で査定価格を伝えて売出し提案することができてしまいます。

本来、依頼者が求めているであろう「売却査定・売出しの流れ説明」といったステップを大きく飛ばし、「この物件であれば具体的なお客さんが弊社にいる」・「このマンションは先月仲介していて、そのときの買主がもう1部屋買いたいと言っている」など、予め用意している『タイミングよく顧客がいるセールストーク』が展開されます。

結果として、初期段階から依頼者へ売却決断を迫ることが散見されます。そこまで売り急いでいる投資用不動産オーナーは稀で、多くの方はじっくり比較検討したいと思っています。依頼者と不動産会社の歩調が合わず、向こうのペースで進んでしまうことが往々にしてあるのは、このような理由のためです。

情報の差がお金になる

不動産会社としては、悠長に査定を作成して郵送していたら「他社にお客を取られてしまう」リスクが高まります。売却が成立してもしなくても一括査定サイトの料金は発生します。そのため、どの会社も「他社に取られる前に自社で囲い込む」ことにしのぎを削ります。

先ほど「不動産会社は依頼者に1秒でも早く連絡を付けたい」と書きましたが、そこには依頼者を自社で囲い込みたいという理由に加え「他社から依頼者に入ってくる情報・提案内容をブロックしたい」という意図もあります。一括査定の依頼段階で、投資用ワンルームの売却に精通している依頼者は多くありません。通常は依頼後、不動産会社とのやり取りを通じて売却知識や判断力を身に付け、最終的な売却価格や条件を決断していきます。

「依頼時に想定していたステップを大きく飛ばし、最初に連絡があった1社(ないし2~3社)からの情報だけで金額の高低を判断し、予想外のスピード感で売却決断~契約までしていた」。

自分はこんなことにならないと思っていても、毎日その仕事をしている不動産会社の営業トークやスキルにより、ごく自然にそうなってしまう方が多くいました。

「情報の差がお金になる」。投資用不動産の業界でよく言われることです。

投資である以上、ある程度は仕方がないことです。ただ誤解を恐れずいえば「不動産オーナーの無知・情報不足をいいことに、自社の利益最大化を優先してオーナーが本来得られるはずの利益を得る」仲介会社が多く存在しているから、一括査定サイトが多数でき、投資用ワンルームを持つ方を呼び寄せようとしている側面があります。

安くても良いからすべてお任せで売りたい、という投資用不動産オーナーも存在しますが、少数です。大半の方は「売却するなら、少しでも高く」と思っているはずです。その気持ちを見ようとせず、自社利益しか見ない仲介会社を絶対に選ばない・・・これが、一括査定サイト利用時にもっとも注意すべきことかもしれません。

さいごに

『売るワンルーム』では、このような過去の事例検証にもとづき「オーナーさんご自身で『自己判断』するための前知識を持っていただく」ことを重要視しています。

所有物件を見たことすらない方が多い現状を鑑み、まずは所在エリアの特徴や注意点からお伝えし、物件収支の現状は相場と比較してどうか・近隣の賃貸在庫や成約事例はどうか・買主が不動産業者となる理由はなぜか、などに触れてから初めて査定価格をお伝えします。

すべての内容は動画でお伝えし、やり取りはLINE上で行いますので、ご自身のペース感で売却検討が可能です。

「情報の差がお金になる」という考えの対極として生まれた『売るワンルーム』という売却サービス。気になった方はまず、お気軽にLINEからお問合せください。

 

参考動画:【不動産売却・一括査定の話】一括査定したとたん、多数の着信が・・・
不動産業者側の視点から、一括査定について話しています(約15分)。併せてご覧いただければ、より理解が深まります!


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