「修繕積立金が安い・上がっていない=所有中のCF良好」、そう感じたまま所有をつづけていたワンルーム、今後「危ない」かもしれません。
2026年4月に施行が予定されている『区分所有法の改正』により、投資用ワンルームにおいては、修繕積立金の値上げが進みやすくなる構造に変化する可能性があります。本記事では、区分所有法改正の要点を整理したうえで、なぜ積立金が上がりやすくなるのかの理由を解説します。
今回の区分所有法改正は、主に以下を目的としたものです。
老朽化マンションの建て替えを進めやすくする
所在不明・連絡不能な区分所有者がいても、建物の機能維持を行いやすくする
ニュースや解説記事では、この「建て替え」に焦点が当たりがちですが、将来的にはともかく、投資用ワンルームが対象となる事例は全国をみてもほとんどありません。築年数や立地、管理体制を考えると、多くのワンルームでは「何十年も先」になるのが実情です。
では、今回の法改正でワンルームオーナーが気にすべき点はなにか。結論はシンプルで、所有するワンルームの修繕積立金が上がりやすくなるかどうかです。
積立金が1,000円上がると、売却価格が約30万円下がる
投資用ワンルームの売却において、基本的に上記の数式が成り立ちます。そのため、今回の法改正により出口戦略に大きな影響を及ぼす投資用ワンルームが存在します。
本記事を読まれている方は是非、管理規約を引っ張り出してご確認ください。最大のポイントは「管理規約が下記2タイプのどちらか」です。
修繕積立金を改定(値上げ)するには、管理組合の総会で議案として上げ、一定数の賛成を得る必要があります。総会は毎年1回開催される「通常総会」と、必要に応じて都度開催される「臨時総会」がありますが、今回、総会の種類は関係しません。前述のとおり「管理規約がどうなっているか」が注目点です。
管理規約は管理規約として、修繕積立金の値上げは別途「長期修繕計画」として、べつべつに運用されているタイプです。積立金の値上げに関して、管理規約を修正する必要はないので、比較的容易に(通常決議で)積立金を改定できます。このタイプは必要に応じて値上げができており、築年数に対し相応の積立金額になっていることが多いです。
このタイプは、修繕積立金の見直しに関する計画内容が「管理規約とセット」になっています。管理規約はいわば、『マンション運営のルールブック』。この改定には通常より重い意思決定(特別決議)が必要となり、結果として 積立金の値上げが進みにくい構造が生まれます。
今回の区分所有法改正では、管理規約を改定するためのハードルが下がり、意思決定が進みやすくなりました。結果として、下記のような特徴をもつマンションは積立金の値上げが一気に進む可能性(リスク)があります。
新築から10年以上経つのに、修繕積立金が一度も上がっていない
築年数の割に、修繕積立金があきらかに割安
過去の総会で値上げ議案は出ていたが、値上げせず現在に至る
これまで(水面下で)否決され続けてきた積立金の値上げ案が、改正をきっかけに通りやすくなるケースも想定されます。あわせて注意すべきなのが、値上げの『幅』です。積立金が安価ということは、「当初の長期修繕計画ほど積立金が貯まっていない」「積立不足が長年放置」「今後の大規模修繕に不安が残る」ということです。
建物管理会社にとって「管理物件の品質管理」「そのための大規模修繕工事」は重要な業務のひとつです。懸念解消のために、「少しずつ・徐々に」ではなく一気に大きな値上げが行われる可能性(リスク)もあります。マンション自体の品質維持は必要不可欠なものですが、出口戦略(売却価格)にマイナス材料なのも事実。条件が該当するほど、慎重な判断を求められる時期といえます。
あらためて、つぎの内容をいま一度確認してみてください。
【過去の総会議題】積立金の値上げ否決が繰り返され続けているか
上記に該当するほど、区分所有法改正を起点として、「修繕積立金の値上げ可能性が上がる」「修繕積立金の値上がり幅が大きい」といった可能性が上がります。そして、修繕積立金の上昇は「1,000円あたり30万円」ほど、売却価格の下落に直結します。
「まだ大丈夫」「そのときになったら考えよう」と悠長にかまえていると、すぐ「そのとき」がくるかもしれません。出口の選択肢が狭まってしまう前に、「ワンルームの現在地点の確認」「出口価格の把握」をすることが重要です。売る・売らないに関わらず、「出口を考えはじめたら」の段階で大丈夫です。お気軽にご依頼・ご相談ください。
※本記事は、投資用ワンルームをすでに所有しているオーナー様に向けた情報提供を目的としています
※本記事は内容の正確性・将来の結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任にて行ってください
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