「〇〇の理由で高く買いたい人がいます」「法人が社宅として探しています」――。投資用ワンルームのオーナーであれば、一度はそんなDM(ダイレクトメール)を受け取った経験があるのではないでしょうか。
一見、特別な買主からの直接オファーにも見えるこれらのDMですが、実は“きっかけづくり”に過ぎない営業手法がほとんどです。内容を鵜呑みにすると、思わぬ価格で売却が進んでしまったり、しつこい営業に悩まされるケースもあります。
今回は、こうしたDMに潜む「4つの罠」を具体的に紹介しながら、冷静に判断するための視点を整理します。
もくじ
投資用ワンルームの売却価格は、収支が分からないと算出不可能です。居住用マンションとは異なり、「現在の家賃」や「入居者情報」、「維持費の額」が価格を大きく左右します。
家賃はオーナー・入居者・賃貸管理会社しか知り得ない情報。DMを送ってきた業者がそれを知らない状態で「〇〇万円で売れます!」と提示している時点で、その正確性には疑問符がつきます。
それでも「2,200万円で買いたい人がいます」などと書かれているのは、あくまで反響を引き出すため。実際に連絡してみたら「こちらの想定していた収支と異なります。現実的には1,800万円が限界ですね」と大幅に安い価格提示される・・・というのは、よくあるパターンです。
当然ですが、安い価格が書かれていても誰も問い合わせません。そのため、興味を持たせるための“おとり”として高値提示をしているに過ぎません。実際に「DMの提示額通りに売れる」と信じて動き出した結果、相場よりも安く売却してしまった、という事例は後を絶ちません。
『提示価格が高そうだから問い合わせる』のでなく、『実際いくらで売れるかを把握した上で、提示価格で売れるのかを問い合わせる』ことが正解です。判断できる「目」を持つことが非常に重要です。
受け取ったDMに、以下のような文言がよく書かれているのではないでしょうか。
海外資本の買主がいます!
社宅として購入希望のため高く売れます!
このエリアでちょうど物件を探している法人がいます!
〇億円の予算を組んだ企業様をご紹介します!
一見、「高く売れるかも!?」と思いそうなフレーズが並んでいますが、冷静に読み解くと「買主=不動産業者」という事実にいきつきます。不動産会社は常に仕入れ先を探しているため、「法人の買主がいる」という主張自体は、嘘ではありません。
ただし、あなたの物件に限った話ではなく、「売ってくれるなら誰でもOK」な場合がほとんど。本当に特別な案件であれば、ピンポイントな紹介や水面下での交渉が基本であり、DMで大量に告知されることはありません。つまりこれは、“特別な買主が存在している”ように錯覚させるための営業手法。実際には、ごく普通の仕入れ営業の一環に過ぎません。
ここでも価格同様、『投資用ワンルームは誰がどう買うのか』という『投資用ワンルーム独特の流通構造』を把握しておくことが重要です。投資用ワンルームの買主は不動産業者で、提携している銀行融資を使う。その業者が再販売することでエンドユーザーが次のオーナーとなる循環構造。これを知っているだけで、「表面的には魅力的なフレーズ」の「真実」が見えてきます。
「自分の物件だけに送られてきた」と感じるDMでも、実際はそうではありません。登記情報(所有者名・住所)をもとに、対象エリア一帯のオーナーに大量送付しているのが現実です。
DMの中には、物件写真や地図が挿入されており、個別に調べたかのような体裁が整っています。しかしこれは、テンプレートを自動で組み合わせて出力した営業資料にすぎません。特に毎月〇十~百万円の予算を組んでいる営業会社の場合、膨大な数のDMを自動発送できる体制が準備されています。
不動産会社にとって、売主が「あなた」である必要はありません。価格が合えば売ってくれて、手数料がもらえれば誰の物件でもかまわない、というのが本音です。「このDM、ちょっと気になる・・」という場合でも、基本的には【DMはその不動産会社の“名刺”くらいの認識でちょうどいい】と思っておきましょう。
DM最大の目的は実は、「オーナーに関する情報を得ること」です。一度でも問い合わせをすると、電話番号やメールアドレスといった個人情報が相手に渡ります。個人情報保護にうるさい時代ですが、DM業者によっては気にしないところも・・・。実際にオーナーから寄せられた過去の相談では
・電話、メールで事あるごとに売ってほしいと営業された
・知らない会社から営業連絡があった(他社への情報転用)
・知識不足のまま専属媒介契約を促され、契約してしまった
・納得できない価格でも押し切られて売却してしまった
といった内容を耳にしています。
「とりあえず価格だけでも聞いてみよう」・「あとで断ればいいや」といった軽い気持ちでの問い合わせが、主導権を業者側に明け渡すきっかけになります。本当に売却を考えるなら、“営業ベース”でなく、“自分主導”で進めることが大切です。
そのためにも、実際に問い合わせる前に『ワンルーム売却の知識』を付けることが必要なのです。
DMに記載された情報は、すべて「きっかけづくり」のためのものです。内容が間違っているわけではなくとも、オーナー様にとって有利な提案であるとは限りません。
投資用ワンルームの売却は、
・賃料状況
・入居者属性
・修繕履歴や管理状況
・現時点での市場価格
といった要素を踏まえ、正確に判断する必要があります。そしてそれは、「軽い気持ちで何となく問い合わせた、よく知らない業者」と、「正しい知識を広く公開して、売却について安心して任せられそうな業者」のどちらが教えてくれそうか、悩む必要もないことです。
売るワンルームでは、「投資用ワンルームの売却」に関して「オーナー様が事前に知っておくべきポイント」をサイト・YouTube動画でお伝えしています。さらに「いくらで売れるのか?」という問いにはオーナー様ごとに作成した「動画査定」でお答えして、納得のワンルーム売却を完全サポートします。
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本記事は、投資用ワンルームをすでに所有しているオーナー様に向けた情報提供を目的としています。
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